老害の人
今年最初の読了は 今の私にピッタンコのこの本です
表紙の絵からして老害ですよね
絵の主人公 85歳の福太郎の話です
福太郎は長年経営者として第一線で活躍し
娘婿の純市に社長の座を譲ったものの
純市の計らいで経営戦略室長という肩書をもらって
一部屋作ってもらって
時々会社に出勤し
自身の自慢話を社員に聞かせています
ある日 大口の取引先の若い経営者に偶然 福太郎が挨拶し
得意の根性論まじりの自慢話をしてしまいます
それがきっかけで取引が白紙になります
そして その事を知った娘の明代に言われてしまうのです
身を引く事も手を引くことも出来ない人を『老人』と言うの
しがみつく人を『老人』と言うのよ と
さらに
何かと言うとくだらない説教に持っていくから『老害』って言われるのよ
老人は何かやるなら老人だけでまとまってやれ と
そこで福太郎は考えます
会社には自分の部屋がある
仲良しの老人を集めて 会社の一室で
『老人サロン』を始めようとするのです
老人サロンはのちに名前を『若鮎サロン』と変えて
お揃いのピンクのスタッフTシャツも作り
カフェ兼趣味講座となっていくのです
途中コロナの影響もあり
開店が延期、延期になったり
同志の突然の事があったりと
物語は続きますが
老人たちは負けません
若者から見れば老害の行動も言動も
老人達からすれば
『教育』ではなく『今日行く』で、老人は今日出かけていくところが必要
『教養』ではなくて『今日用』で、老人には何でもいいから今日やるべき用事が必要
なんです
なんか自分自身も納得で うんうん 頷きながら読んでしまいました
自分もたぶん日々の生活で
『老害』に一歩も二歩も踏み込んでいると思うのですが
その境界線で いつも悩んでいる自分がいるのも事実です
ちょっとお正月に読むには重い内容でしたが
年の初めだからこその内容かもしれません
今年も頑張って本を読んでいきたいと思います
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