60代、おひとりさまのひとり言

日々思ったこと綴ってます

日本、私の自由は、

西加奈子さん 『くもをさがす』
カナダに移住している西さんが
ご自身の乳癌治療を日記のように書かれています


とても興味深かったです


西さんは両乳房を全摘されています 勿論乳首も
彼女の胸には何もありません


と聞くとすごくネガティブかと思いきや
彼女を取り巻く医療スタッフや友人たちが
面白いくらいに前向きなんです
その都度その都度の出来事を漫才か!というくらい
面白く書かれています


例えば手術が始まるとき
意識が切れそうになってきている西さんに向かって
医者は「OK! かなこ! 始めるで~」と
手術というより日本の板前のように
「炙りしめ鯖一丁! 蟹みそコロッケ一丁! ホタテ釜飯一丁!」とか((´∀`*))


手術後に胸に入っているドレーンを抜く際に
看護婦さんが抜くんですが
抜いた瞬間に血しぶきが飛んで
看護師さんの顔が血でスプラッタのようになり
それを看護師さんが笑いに変えて
他の仲間に「見てみて~私の顔!」と話すんです


日本だったら絶対にあり得ませんよね


術後コロナが落ち着いてから
西さんは日本に帰国するのですが


帰国してからの自分の想いを
最後のエピローグとして 『日本、私の自由は』として書かれています


日本で最初に感じたのは
日本料理の美味しさやおもてなしではなく
以外にも『狭さ』だったそうです
家も道路も公園も電車も


日本で道を歩くときはお子さん(S君)を片時も目が離せない
電車に乗れば静かにしてなさい!
おとなしくしてなさい!と言ってしまう
カナダでは道路を走っても誰にもぶつかることはないし
街路樹のブランコも自由に誰でも利用できる


そしてS君が何もしてないけど
周りに誰かがいると
「すみません」と言ってしまう自分が居たこと


色々考えさせられました


地方紙に載ってた記事なんですが
お笑い芸人の村本さん


日本では危ないものを全部取り外してから飛び立つ
海外では当たり前なのに
日本で時事ネタをすると活動家とか思想家と言われてしまう


確かにそうかもしれない


自分の意見を持たない、持てない 自分の意見を言えない
話すのが苦手な人ばかり


全くそうかもしれない


これもみんな日本人の心の『狭さ』からなんですかね



長女とワーホリの話をした時に
今勤めているところは組織が固すぎて
若い人の意見が通らない
変えたいと思って動いても変わらない
労組の仕組みも有り得ない


もっと自由に生きたい


なんてこと言ってたような気がする



色々本から学ぶこといっぱいありますね😊